「早くしなさい!!」「どうしてできないの!!」は全く効果なし 異なる時間軸に生息する子供と親

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「小学校の夏休みはあんなにも長く感じたのに、大人になってからの1ヶ月はなぜこんなにも短く感じるのだろう」と思う方は多いと思います。それもそのはず、子供と大人では流れる時間の速度が違うから。サイズの異なる動物では代謝の速度が異なり、エネルギー消費速度も異なる。それが時間の速度にも反映されて時間に対する感じ方が子供と大人で異なる、という説を生物学の専門家が提唱しています。また、ある間隔で時間を計測させる実験を行った結果、子供のほうが大人よりも同じ時間を早く計測することが示されており、子供と大人で時間に対する感じ方が異なるというのは実体験からも疑う余地がありません。

さらに、子供と大人では時間に対する認識まで異なります。大人は絶対的な「計測時間」感覚を自然と身に付けているのに対し、子供は時間に対してそのような感覚をまだ身に付けていません。彼らは「出来事時間」、体験した出来事の数で時間を認識する生き物なのです。つまり、「幼稚園のバスが来る残り15分の間に歯磨きとお着替えをしないといけない」というような時間的感覚は持っていませんので、いつまでたってもパジャマのままでいたりします。また、大人にとっては何でもない時間が、子供にとって新鮮で新しい発見が沢山ある場合(食事など)、好奇心旺盛な子供は色んなことを試したりしてあっと言う間に時間が過ぎていきます。そこで大人が「早くしなさい!」と怒鳴ったところで長時間経過したという感覚がない子供はなぜ怒られているのか理解できるわけもなく、「今やろうとしてたのに!」「〇ちゃん、そんなに早くできない!」「うるさい!」と反抗されて大喧嘩するパターンがよく見受けられます。

そう、子供と大人では時間感覚が全く別物なので、別の生き物と認識したほうがお互いにとって幸せに事が進みます。子供は学校で否応にも絶対的な計測時間感覚を身に付けるようになりますが、幼少期の頃はなかなか上手くいきません。頭ごなしに否定するのは我慢して、計測時間感覚を身に付けるようアナログ時計を使って物事をやらせてみたり、誘惑の多いものを排除して(目に付かないようにして)時間通りに事を行うようするのは親の役目です。「(幼稚園の登園時間過ぎてるのに水溜りに興味津々な様子の)好奇心旺盛な自分の子供すごい!(雨の日はもっと早く家を出ないとね)」と出来事時間軸に生息する我が子ならではの行為を受け入れてあげることが親になるということではないでしょうか。

「プログラミング」「英語」これで間違いなし!? 子供の想像力を破壊する「大人の常識」

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「将来立派になりたかったらちゃんとしなさい」「そんなことばっかりやってないでちゃんと勉強しなさい」など、これらの「立派」や「ちゃんと」という基準は親の頭の中にあります。暗記中心の詰込み型教育から課題解決型教育への転換が進む中、子供たちを取り巻く環境は激変しています。一方で変わらないのは親の考え方であり、20世紀的思考のままであることが一番の問題です。

「ちゃんと」が重要だった時代、それさえできれば経済も順調でした。ところが今は「ちゃんと」できればいい仕事はAIが行うので、それしかできない人間はリストラ対象の最前線に立っています。

「なるほど。じゃあ、これからはプログラミングと英語をやっておけば間違いなしね。英語教室はもう通っているからいいとして、週末近くのプログラミング教室の無料体験に申し込んでおいたから行くわよ。」という発想がもうダメです。我が子の将来を思うばかり、周りに目が行かなくなっている典型的パターン。あなたの子供は本当にプログラミングをやりたいと思っているのか?あなたは本当に子供にITエンジニアになってほしいのか?子供は興味のないことを楽しくやれると思うのか?あなたが幸せでも子供は幸せなのか?

親であるあなたが今やるべきことは子供を徹底的に観察することです。何度もやめなさいと言ったこと、怒られるのを恐れて隠れてやっていること、こどもがご飯も食べずに夢中になってやっていること、それを見極めてあげられるのは親であるあなたにしかできないこと。英語もプログラミングも一旦習わせてみるのは構いませんが、向き不向きを見極めてあげることが一番大事。

一流大学に行き一流企業に入ることが最良とされていた時代、学歴は優待パスポートの役割があって意味のあるものでした。しかし、今は「ふーん、それであなたは何ができるの?」「人と同じことしかできないの?」という時代において学歴は昔ほどの価値はありません。学歴にすがりつく人間ほど使えないというのはもはや常識。高学歴ばかりを採用して潰れた会社は沢山あります。超巨大企業の創業者達で「ちゃんと」している人は少ないと思いませんか?

「一流大学の合格実績が良いから我が子をあの高校に行かせたい」その親心は理解できますが、我が子をいい大学に入れることが目的になってませんか?手段の目的化とは正にこのこと。本来我が子のやりたい事をハイレベルに学べるところを目指すべきで、そのサポートをするのが親の務め。

「みんなが選ぶから間違いないだろう」は危険な発想であり、子供をダメにする最良の方法は大人の物差しで子供を測ること。

AI時代到来!! 君はリーバイ・ストラウスになれるか??

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2017年2月7日、MIT Technology Review(マサチューセッツ工科大学のメディア)に衝撃的内容の記事が掲載された。

At its height back in 2000, the U.S. cash equities trading desk at Goldman Sachs’s New York headquarters employed 600 traders, buying and selling stock on the orders of the investment bank’s large clients. Today there are just two equity traders left.

Automated trading programs have taken over the rest of the work, supported by 200 computer engineers.

簡単に要約すると「ゴールドマンサックスのトレーダーは2000年に600人いたが、AIに仕事を奪われて今は2人しか残っていない。その代わり200人のコンピュータエンジニアがサポートしている」。

世界有数の頭脳が集まる超一流企業のゴールドマンサックス。しかしながら、AIは容赦なく彼らを用済みに。「あのゴールドマンサックスの社員がAIで用済み?じゃあ私は?」と考えたビジネスワーカーは多いはず。日本でもメガバンクで3万人以上の人員削減が話題に。

2016年6月10日に発表された経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2019年をピークにIT関連産業人口は減少に向かい、2030年には約59万人程度まで人材の不足規模が拡大するとのこと。日本の数年先を行くアメリカでは、シリコンバレーで働くエンジニアの平均年収は3,000万円を突破し、アメリカンドリームを夢見て世界中からITスキルを持った人々が集まっています。

「私もITスキルを身に付けて、破格の給料を貰いながら働きたい!」と考える人はこれからもますます出てくるでしょう。しかしこの状況、一攫千金を夢見たゴールドラッシュと似ていると思うのは私だけではないはず。

19世紀のゴールドラッシュ

1848年1月、ジェームズ・ウィルソン・マーシャルがアメリカン側沿いで砂金を発見。金発見の噂はたちまち広まり、アメリカ全土および海外から文字通り一攫千金を夢見る者達が押し寄せるゴールドラッシュとなり、その年にちなんで彼らはフォーティーナイナーズ49ers=49年の人達)と呼ばれた。(なお、当時鎖国中であったにも関わらずゴールドラッシュに加わった日本人がいる。その名は捕鯨船員として働いていたジョン万次郎であり、帰国資金を稼ぐためだったという。)

ゴールドラッシュの話題で必ず挙げられる人物が二人いる。一人はサミュエル=ブラナン。ブラナンは金発見を確認した後、金探鉱用の小売店を開業するとともに、金を入れた小瓶を見せながら「川からゴールドが出た!」と叫んだという。彼はゴールドラッシュを予想し、金を掘るために絶対に必要な資材であるバケツとスコップを買い占め、原価の100倍以上で売り捌き巨額の富を得た。(しかしその後、鉄道、リゾート経営など事業を多角化して破産。)

もう一人はジーンズブランドで誰もが知る「リーバイス」の創業者リーバイ・ストラウス。ストラウス家はゴールドラッシュに沸くサンフランシスコで織物ビジネスを始めることに決め、ファミリーの代表としてリーバイが選ばれた。彼は船に色んなものを持ち込み、ほとんどの商品を捌くことが出来たが、唯一売れ残ったのがテント用の汚い帆布。どうにかして売ろうとしてもなかなか売れず途方に暮れるリーバイだが、市場で品薄になっているのがズボンであることを知り、その頑丈なキャンバス地でオーバーオールを作ったところこれが大ヒット。採掘の仕事は過酷であるため頑丈な作業着は飛ぶように売れ、リーバイ・ストラウスは金を採掘することなく大金脈を掘り当てた。

新たなゴールドラッシュの幕開け

アメリカの一部地域で発生した19世紀のゴールドラッシュ。21世紀のゴールドラッシュは当時とは比較にならない巨万の富を築くチャンスが転がっている。これから起こるビジネスの潮流を予想し、成功するかどうかはあなたの行動次第。

「君はスコップやバケツを買って金鉱山に行くのかね?それとも君はリーバイ・ストラウスになれるかね?」